松島で美味しい浜焼きを楽しみつつ、江戸時代から昭和に続く干拓事業の跡を歴史散歩してみました。
美味しい海鮮焼きが食べたくなり、先週末、美味しい浜焼きを食べに松島海岸に立ち寄りつつ、
先日、宮城県の県北の方まで走った際に発見した、
かつて宮城県中部に存在した巨大な品井沼と呼ばれた摩周湖に匹敵する周囲16.5kmに渡る広大な遊水池と、水さえ抜ければ、ここは広大な水田になるということで、江戸時代に入って干拓事業が始まり、宮城県中部の穀倉地帯、仙北平野の穀倉地帯を干拓するために作られた元禄潜穴、明治潜穴なる地下排水トンネルと、川を横切って、別の川が川の下をトンネルの中(吉田川サイフォン)立体的に交差する全国的にも珍しい川の仕組みが気になって、松島界隈を走ってみました。
コースは以下で
仙台から、多賀城、塩釜を通り、子供の頃から何度も来てる松島の観光地帯は素通りし(笑)
品井沼の干拓地帯の水を排水するために人工的に作られた、同一の河川で2つの名前を持ち、全国でも珍しい水路トンネルを介して川が流れている高木川の河口を過ぎ、
一の坊、パレス松洲、大江戸温泉グループのホテル壮観が立ち並ぶ旅館地帯を抜け
仙台から自転車でおよそ1時間半、松島海岸の外れにあり、松島の観光客の喧騒を離れ、のんびりと浜焼きなどが食べられる、赤間水産さんなど3軒ほどの浜焼き店が並ぶうみねこの舞う磯崎漁港へ。
高栄水産さん、杉原功商店さんの隣に、気さくなおばあさんと、可愛らしい看板娘さんが海産物を焼いてくれる赤間水産さん
うに、ホタテ、つぶ、牡蠣、イカ......と美味しい魚介類をお手頃な価格でいただけます。新鮮で美味しいのひとこと。みそ汁がサービスであるのが嬉しい。
店内は、まるで可愛いらしいオモチャ箱。
朝っぱらに駆けてきたので軽く焼きウニと、大粒の焼き牡蠣に舌つづみ。
で、
海鮮焼きに満足した後は、全国的にも珍しい高木川の成り立ちを見に川の河口に戻り川沿いを北上。
三陸道・松島北インターチェンジを横目に約500メートルぐらい北上すると
江戸時代に作られた品井沼の排水トンネル、元禄潜穴なる用水トンネルの出口部分、元禄潜穴の穴尻があります。
夏場は、潜穴の出口を草木が生い茂っていて、はっきりしませんが、ここから、排水路の水が出てきます。
で、東北本線沿いの道を北上すると
品井沼駅の500メートルほど手前に、元禄潜穴の入り口部分がある品井沼干拓資料館が
上流で2系統に流れが分かれている高木川の1系統がここから地下に潜り先ほどの元禄潜穴穴尻に
「元禄潜穴」の延長は約2.5km。江戸時代に2.5kmのほとんど高低差もなく用水トンネルを掘るのは多大な難工事だったようで完成までには多くの犠牲者も出、そのなかに村人に愛された「おまん」という名の娘もいたそうで
元禄潜穴の入口、出口の間の道すがらに「おまん地蔵」と呼ばれる地蔵尊が、蒜沢阿弥陀堂の大きな銀杏の木の下に祀られています。
で、
元禄潜穴からさらに上流に行くと、土木学会 選奨土木遺産に選定されている川の下を立体交差して地下に川が流れる吉田川サイフォンがありました。
川の下をトンネルを通して川が流れている吉田川サイフォンの出口。
高城川は、川の上流では鶴田川という名前を持ち、サイフォンを通して吉田川の下を潜り抜け、サイフォンの出口から高城川と名を変えて地上に現れ、ここから、元禄潜穴側と明治潜穴側に写真の先に見える橋の先ぐらいで流れが2系統に分かれます。
こちらは吉田川サイフォンの入り口部分。ここから上流部は高城川は鶴田川という名前を持ちます。
サイフォンを通して、土手の下と
こちらの吉田川の下を潜り、先ほどのサイフォン出口まで、高木川は川の下を潜って流れているわけですね。来て見て初めてわかった〜〜〜!
で、
先ほどの江戸時代に作られた元禄潜穴が老朽化し、機能的にも不十分だったため明治時代に作られたのが明治潜穴で、用水路を新たに掘ったのでしょうね〜〜。
高木川を別系統に流して、
また、新たに掘った用水トンネルを通して
元禄潜穴の穴尻付近で用水路を合流させて、河口まで水を排水したのが高木川だったりします。
と、
さぞ難工事だったでしょうと感心しながら、江戸時代から昭和にかけての干拓事業を自転車に乗って見て回りながらお勉強した後は
汗をかいて走り回った後はやっぱり温泉だねーということで、以前紹介した1000年続く松島の温泉宿『霊泉亭』のすぐ目と鼻の先にある、芭蕉の湯さんで、遅めの昼食がてら一風呂してみました。
揚げたてのハゼの天ぷらも付いた天ザルで1,080円。
入浴料500円でさっぱり出来ます。
今回は、お風呂のみでしたが、小ぢんまりした日帰り入浴施設ですが、ここの岩盤浴は汗だくで滴るほどに汗が流れて結構おすすめです。