20インチ内装3段のリアホイールを手組みしてみました
愛車PAS CITY-Xで、これまで2万キロは走ったでしょうか。サイクルアプリで記録している走行距離だけで約8千キロメートル。坂の上り下りの高低差はエベレスト9つ分の約8万メートル。
雨の日も構わず走り続けて、流石にCITY-Xに無理をさせたか、先日来CITY-X後輪ハブ内のベアリングでも破損したか後輪がガタつくので、ハブをメンテナンスしようと思ったのですが、後輪を段差にぶつけたおり、後輪スポークが何本か少々歪んだ状態にもなっていたので、この際、いまあるハブは、あとでメンテして予備用として使うことにして、この際、CITY-Xの後輪を丸ごと新品に交換してみようかと、まずは、後輪ホイールを手組みしてみること。
ヤマハのパーツカタログでCITY-Xの部品番号を検索して
https://www.yamaha-motor.co.jp/parts-search/pc/
近所のイオンバイクでヤマハからCITY-Xのホイールにスポーク、ニップル、後輪ハブを取り寄せ。
で、CITY-Xの後輪ハブですが。内装三段の自転車のハブにはママチャリから電動アシストまでシマノのNEXUS INTER-3と呼ばれるシリーズが多分世界共通で使われていまして、CITY-Xの後輪にはそのNEXUS INTER-3シリーズのSG-3R40という製品が使われています。
ところが、このINTER-3ですが、調べてみると、実は、Shimanoが一般ユーザー向けに販売している製品と、ヤマハやパナソニック、ブリジストンが電動アシスト用に使用しているハブではスポークをハブに引っ掛けるフランジの直径やフランジの穴の形状が異なっていまして、電動アシスト用に使用されている内装3段ハブは、ヤマハやパナソニック、ブリジストン向けOEM製品の特注品になってまして、メーカー取り寄せでないと一般的にネット通販等では入手できない特別製だったのですね。
と、いうことで、軸長が若干誓う物ですが、たまたま手元にあったシマノの一般ユーザー向けSG-3R40(写真上)とヤマハから入手したCITY-X用のSG-3R40(写真下)を並べてみると以下の通り。
フランジの径とともに、スポークを通す穴の形も異なっています。
写真左の一般ユーザー向けハブでは二つの穴がくっついたような蝶穴と呼ばれるスポーク穴なのに対して、CITY-X用のハブはスポーク1本1本、別々に穴を通す丸穴と呼ばれる単穴系のハブになってまして、ロードバイクなどのスピード重視系の自転車に一般的に採用されているハブの左右とも負荷の強い外側のスポークでトルクを伝えるイタリア組と呼ばれる組み方でスポークが組まれているCITY-Xに単穴ハブが使われているのはそれなりに理由があるのでしょうね。
それで、後輪ホイールを手組みする前に、これまでの後輪ハブは中を分解してベアリングを取り換えるなどメンテして再度組み立てたいのと、今回の新品ハブを分解メンテして組み立て直す際の参考にというかベアリングの玉押しの調整がこれまた微妙な感覚を擁する技なので、何かの場合に、新品ハブの軸端から各ボルト端までの長さを参考までに計測。
ちなみにCITY-X用ハブの軸長は191.8mmのようで、軸端から軸端の中央はどの辺かと計測してみるとNEXUS INTER-3と描かれたピンク色のラベルの端にちょうど溝があるのですが、この溝がセンター位置にぴったりのようでホイールの中央がこの溝の真上に来るように手組みすると正解なのかな。
で、ホイールを組む前に、ちょっとだけホイールの組み方の基礎知識ですが、ハブを見ると、スポークを通すフランジには片側に14個の穴が空いてます。両側で28穴。
また、両側にあるフランジのスポーク穴は、両側とも同じ位置に穴があるわけではなく、ドライブ側(スプロケットが付いてチェーンを引っ掛ける側)にスポークを1本通してみると下の写真のように、片方のフランジのスポーク穴は他方のフランジのスポーク穴のちょうど中央の位置に穴があるように穴が空いてます。
それと、リムに空いてるスポーク穴もリムの中央にスポーク穴が空いているわけではなく、よく見ると、下の写真のようにリム中央から左右(下の写真の場合ですと上下に)に偏って互い違いに穴が空いているのがわかります。この穴に、下側に寄ってる穴にはドライブ側、上に寄ってる穴にはブレーキ側のスポークを通していくので、当然、ハブに空いてるスポーク穴もフランジの両側でずれているのですね。
で、CITY-Xの場合のスポークの組み方ですが、CITY-Xの場合、タンジェント組と言われるスポークが交差する組み方で、しかも4本組(2クロス)イタリア組という組み方をします。
用語がややこしいでが、スプロケットがつくハブのドライブ側から1組2本だけスポークを組んで見ると下の写真の感じで
- 組になる2本のスポークは間2つ穴を飛ばしてスポーク4つ間隔をあけ組にし
- フランジの上から出たスポークは車輪の回転方向とは逆方向の自転車の後ろ方向に傾け
- フランジの下から出たスポークは車輪の回転方向の自転車の振興法に傾け
- なおかつ、フランジの上から出たスポークはフランジの下から出たスポークの下で交差する形でフレームの隣り合うスポーク穴にニップルで取り付けます。
で、写真がボケてますが、2本だけバルブ穴の隣のスポーク穴を起点にドライブ側にリムに取り付けてみたのが以下の感じ。
下は、2組4本スポークを取り付けてみたもので、スポークのホイールへの取り付け方は要はこの繰り返しのですね。
と基礎知識をおさらいした後。
後輪ホイールの手組み開始。
で、ホイールを組みながら1本1本スポークを通して行くことは出来ないので、まずは全てのスポークをハブのスポーク穴にセットします。
で、まずはドライブ側ですが、下の写真の様にスポーク穴1つ置きに上から下にスポークを通します。
次に、ハブをひっくり返して、今度はスポークを内側から外側へドライブ側の残りの穴すべてにスポークを差し込みます。
次にブレーキ側ですが、下の写真の様に、フランジの外側に出るスポークがブレーキ側はドライブ側のスポークより時計の針の反対方向(車輪の回る向きの反対方向)1つだけというか、穴がずれる様に1本とりあえず入れてみます。
あとは、その1本を基準に、スポーク穴1つ置きに内側から外側にスポークを通して行き
残った穴には、外側から内側にスポークを通して行くと、ご覧の形で、スポークのハブへの取り付け完了。
で、あとは、ハブ穴の隣の穴を基準にスポークをニップルで軽く仮止めしながら先ほどの前知識の要領で繰り返していけば
こんな感じの、仮組みが出来上がります。
で、その際、ニップルの締め具合ですが、写真が見づらいですが、スポークには写真上の様な形でニップルを締めるネジ山が切ってありますが、全てのニップルを写真下の様な形で、スポークネジ山がちょうど見えなくなる写真下の様な位置までニップルをねじ込むと結構いい線まで、ホイールの中央合わせが出来ちゃってしまいます。
で、下の器具がリム センターゲージで
使い方は、下写真の様に、センターボルトをハブのロックナットに合わせ、リムを本体が密着する位置でロックボルトを固定
そのまま、リムの反対側にゲージをあて、本体とリムおよびハブの隙間を調べるのですが
先ほどの、ニップルの締め付けで、ブレーキ側のズレが大体この程度(実際のズレはこの半分ということですが)までセンターが合う形までCITY-Xの後輪ホイールの場合は組み上がるみたいですね。センター位置としてはドライブ側に寄ってる感じですので
まだ、スポークにはテンションはかけないのですが、センターも意識してブレーキ側のスポークが短くなる様に、ドライバーでニップルをドライブ側7回転、ブレーキ側8回転ぐらい締め込んで行くと、おやおや、ほぼ、CITY-Xの後輪ホイールのセンターがその時点であっちゃたのにはびっくり!
あとは、下の様な振れ取り台とリム センターゲージを使い
縦ブレ、横ブレ、センターゲージを
ニップル回しを使いながら、初めは全てのニップルを1/4回転。その後1/8回転と締め付けて行きながら、びみょ〜〜うな調整を繰り返して行くと
テンションメーターや
しまいには、手の感覚まで使って(ってこれが案外有効)テンション調整もしながら縦ブレ、横ブレを追い込んで行くと、
ニップルに傷もつかずに
お!素人が組んだ割には縦ブレ、横ブレ1mm未満精度じゃない!と4時間かかったっけ?という感じで
リムテープも取り付け手組み完了!
ちょっと、大雑把に書きかけで、私が組んだ限りでの細かい参考ポイントが書いてない部分がありますが(あとで付け足します)
次回は、スプロケットとブレーキの取り付けでも書いてみます。